
新聞に「歯を抜かない矯正治療」と題して、紹介文を書いたと
ころ、専門医を含め、たくさんの方からメールやお電話、
あるいは間接的にご質問をいただきました。
誤解の多い事項ですので、一般の質問とは別に回答を掲載
させていただきます。
始めにおことわりしておきたいのは「歯ならびの治療をしているそれぞれの歯科医師はできるだけ歯を抜かずに
治療するようにこころがけている」ということです。
ただ歯列不正の程度の大きいものは、歯を抜かないと治療成績が悪く、小学生のときに治療して高校生の
ころには後戻りしてしまうことも多かったので、現在では歯列矯正をするひとの8割は歯を抜いて治療している
のが現状です。
歯列矯正のテクニックとして代表的なエッジワイズ法はまちがいなく、抜歯を前提に治療法が組み立てられて
いますし、唯一フレンケル装置以外は口腔周囲筋に作用して歯列を拡大する方法は見当たりません。
そういう意味でセトリンテクニックは今までとは異なる方法であり、しかもグレーバーの教科書にも掲載され
ている正当なテクニックであるので一目に値するということを言っております。
決して「歯を抜くのが悪い治療である」と言っているのではない、ということをよく理解していただきたいと思います。
A .1-4
歯を動かして歯並びを変化させるには「歯を動かす隙間」が必要です。
その隙間をつくるために歯を抜くのですが、あごを広げたり後ろにずらしたりすることでもある程度隙間を
つくることができます。
顎の大きさは舌と、唇や頬の筋肉の中間にできるので筋肉の訓練をせずに器械的にあごをひろげると
後戻りが大きくなります。昔の「歯を抜かない治療」というのはこれをやっていたので、軽度の歯列不正なら
適応できたのですが、大きくあごを広げると筋肉におされて戻ってしまうのです。
大きくなるのは、歯を支える歯槽骨の部分なのでエラにあたる頬骨に影響はありません。
歯を抜いた場合に比べると口元は若若しくなりますが、エラが張ると言うことはありません。
2 大臼歯の遠心移動は後方の7番の萌出に問題をおこす。
3 前方に拡大するのは前突をつくることになる。
4 アングル先生の時代に非抜歯は失敗しているのにいまさら何を言っているのか。
A1 歯の位置は舌と、唇や頬の筋肉のニュートラルゾーンできまるので、ニュートラルゾーンを変更すれば
歯列の形が変化するのはフレンケル装置でも明らかになっています。リップバンパーやヘッドギアの
インナーボウは口腔周囲筋を訓練する働きがあるので、これらの装置によって大臼歯の直立と筋肉の
トレーニングを同時に行っています。器械的な拡大のみを行うかつての非抜歯治療ではありません。
A2 矢状面だけみればそう思えますが、遠心移動というのはアーチフォームのより広い部分に大臼歯を
移動することになるので7番の萌出余地も獲得されます。
A3 前方に拡大することはありません。リップバンパーは口腔前庭の深い位置におきますから
口唇圧で前歯のフレアーは防がれています。またワイヤー装着後も使用を続けるなど
大臼歯の位置付けに注意の払われたテクニックであり、前歯の前方傾斜によって歯列弓を拡大
するものではありません。
A4 非抜歯になるようにする努力は絶えずなされねばなりません。
抜歯によって得られた狭い歯列弓は一般の歯科医師から見ると、やむを得ずとられた方法である
という理解は得られても、美しいとは言いがたいものがあります。
アングル先生の時代のテクニックとは違うということをよく理解してください。
←リップバンパーを1年間
使用した結果です。
上が治療前
下が一年後
前歯を前に出したりは
しておりません。
(顔貌の問題が
なければ)
この歯列を「抜歯して
治療します」という人
ありますか?
toyama-shi futakuti-machi 4-4-2
tel 076-493-7399